「先が見えなくても、ムダでナビックは残れた」


 2010年がどのような年になるかは分かりませんが、「100年に一度の・・・」と言われた去年でしたが、そのような状況にありながら会社が存続し、ここにこうしてこの記事を書くことができている事実は「あの厳しい状況の中でもやれた」ということが2010年を生き抜く支えになりました。
 つまり会社が存続していることが全てだと思います。いい材料も乏しく、会社の将来も分からないそんな一年でしたが、大事なのは全てが続いているという事実です。世の中の景気に左右されながら、揺れ動きながらも会社が続いていることが大事です。
 企業は業績が良くないと、経費を削減するのは当然です。私も同様にします。私はいつもギリギリのところで経営をしています。一歩足を踏み外すと、状況が一転してしまうのです。そのギリギリのところにいつも足を置いているので、常に緊張感があるし必死です。ひとつひとつが勝負です。ここ10年近くは実はそんなことばかりの連続でした。この一年は想定外のことばかりでした、それもそのはずです。「100年に一度の・・・・」と言われていたのですから当然です。
 ナビックを支えたものはなんでしょうか?一言で言ってしまえばひとつは「人」です。助成金や補助金という国の制度ではないのです。国の救済システムには支給期限、あるいは枠があります。その制限を越えると救済システムは終わります。ですからその間に次の手を考えておかなければなりません。そんなに簡単には次の手が見つかるものではないのですが。
 しかし、「人」は制度ではありません。会社を支えているのはやはり「人」です。もちろん「人」がたくさん集まれば会社も大変さを増しますが、会社の将来を「人」に託すことができます。ただ「人」がいればいいというのではありません。会社にとって大切な「人」がいなくては会社は成り立ちません。会社が存続したということは、会社に大切な「人」がいたからです。
  私には不思議な経験がいくつもあります。不思議といっても、「UFOに遭遇した」とか「超自然現象を経験した」とかのたぐいではないのですが、それは必要な「人」の登場だったり、会社に必要な「お金」が突然入ってきたりです。
 その不思議な出来事は、いわゆる「運」だと思います。不思議な経験とは実は「運がよかった」ことの経験をしてきたことです。もちろん社員さんの協力や理解のおかげで今のナビックは成り立っていると確信しています。
 私には会社の将来は見えません。たとえて言えば「霧の中」にいるようなものだと想像しています。その霧の中にいても、当然ですが自分なりに先を読むためにいろんな情報を集めて分析したり、いろいろと勉強して先を読もうとしますが、それでどんな先があるのかを予見できたことはありません。
  会社のこの先が分からないから「なにもしない」としたら、継続はなかったと確信しています。どうして良いか分からないから「なにかをした」ことが、今にして思うと、ムダな動きだったかもしれませんが、そのことが「想像できなかった」結果につながっています。「想像できなかった」ことが分かったわけですから、ムダと思うことも決して無駄ではなかったという経験をできたことがいいのだと思っています。
  今の時代、「損もしたくない、失敗もしたくない、ムダは一切しない、効率よくやること、まずは自分のことを考える」そんな時代です。その反対に、「ムダもする、失敗もする、損もする、他人のことを考えて困っていたら自分が大変でも助けてあげる」。今みたいな景気の時に「バカを言うな、景気がよければ、少しはムダがあってもしかたないけど、今は節約、まずは自分だろう」という考えもあります。
 しかし、結果としてムダと思える経験をしたからこそ今につながっていると私は確信しています。