「専門家に任せてきた23年」


 ナビックは、2011年で23期を迎えました。今日までを振り返ると23年間会社を継続できたことは、いろんなことがあったにしてもよくここまでやれた、という思いです。会社を支えたのは、ナビック社員の働きによるのはもちろんですが、会社のトップとして日々の舵取りをどうするかにかかっています。
これからこの先10年20年を目指すにしても、それは結果に過ぎません。10年頑張ろうといっても、日々の取り組みがまずければ、10年ももちません。
 それに10年頑張ろうではあまりにも抽象的です。やはり今日どうするか、そして今月どうするか、来月どうするかを考えながら、気が付いたら10年経ったというものだと信じています。その間、どうしていいか分からないことも多かったように思います。23年やれるやり方なんか誰にもわからないわけですから、今どうすればいいか、その場で答えを求められるのです。左か右か、さあどうするか、とりあえず右に行こう、そうすると、結果は大変なことになることもしばしばです。
 今までは財務という観点を重視していませんでした。こんなことを書くと、そんなバカな、と言われますが、まずは会社を存続させることだけしか考えていませんでした。それだけです。そして売上さえのびれば財務もよくなる、そんな考えしか持っていませんでした。それでは決して会社の財務状況はよくなりません。
 売上を上げるというのは、そう簡単なことではないので、とりあえず存続できればいいぐらいに考えていたのですが、それだとちっとも財務状況がよくなりません。
 財務を良くしようと思うと、収益つまり、売上にたして販売管理費はどうしなければいけないとか、売上がなければ、経費を落とすことを考えなければいけないとか、つまり、売上が伸びるか伸びないかは、市場の景気に左右されたりするのですが、財務は収益に対して、どう利益を出すか、大きな金額だけで見れば、単純な算数で(売上−経費=利益)で考えられるのですが、経費は小さな費用の積み上げであって、その小さな費用を甘くみると、すぐに利益を圧迫することになります。
 つまり、大きな売上があるときは、多少の経費もその中で吸収できるのですが、売上が落ちると同時に経費もスライドして下がればいいのですが、そうはなりません。2ヶ月か3ヶ月たってようやく経費を落とすことができる状態です。どうかすると半年1年とかかるものもあります。
 今まで財務のことをどうすればいいなど、あまり気にしませんでした。なぜこのようなことに注目したかというと、通常経理は会計士に任せることにしてますから、考える必要がありませんでした。ところが、自分で経理をやってみようとあることがきっかけで始めたのです。そうすると見えなかった、あるいは見ようとしなかった数字にたいして、なぜこんな数字になっているのだろうと素朴かつ単純な疑問がわいてきたのです。
 会計士はお金を仕訳することはできますが、よほどおかしな金額でなければ、このお金は何かを指摘することはありません。自分で経理をやったことで、なぜその金額なのかを考えるようになります。とても小さな金額でも、「チリも積もって山となる」です。小さな費用でも無視していると、年間通してみると、それが何十万にもなるという実感をもつことができます。
 たとえば、手数料はいろんなところでかかりますが、会計士は指摘しません。手数料が多いと僕が感じ取らなければ、誰も指摘しないのです。「細かいことに経営者は気にしなくてもいいのだ」というときは、景気がいいときの話です。今景気がいいと言える状況ではありません。
 経理は経理の専門家に任せても、売上−経費だけしか見えてきませんでした。自分で経費を仕訳することで初めて、なぜそうなのかという疑問を感じるのです。そのことが大事で、そこからあらためて財務体質の改善の一歩が始まるのだと確信しています。財務状況がよくなっている会社の姿が見えてくるようです。