「総会の写真」

   年次総会を4月19日に終えた。ナビックの規模の会社にしては、随分と大胆なことをやっているかもしれない。総会をやるようになって6年になる。全社員が一堂に集まる機会はこの総会を除くとなかなかない。私にとって一年で一番緊張する時である。会社の抱えている問題にどう答えるか、それと、会社の思いや今後の方針、それらを伝える良い機会である。それらのメッセージをどう伝えるか、またそのメッセージが社員さんに受け入れられるものになっているか。社員さんに伝わらないメッセージは自己満足で終わってしまい、この総会を無駄にしてしまう。
 大事なのは、社員さんが仕事に対して充実感を持って楽しく働けることを目指して行動してくれること。なぜなら、仕事は何十年もやらなければならないもの。1年やれば終わりでもないし、10年やって終わりでもない。生きていく中での仕事は大切だし、仕事で人が育つと言って良い。だから、仕事を通して助けられることも沢山あるはずだ。また、仕事を通して人間関係を築いていくことだって沢山ある。
そう考えると、仕事が面白くないとか、嫌だという時期ほど、これから一生付き合う仕事に対してどうした方が良いのか、真剣に考えることが必要に思える。
 総会を終えた後に、集合写真を毎回撮っている。写真を撮るようになって5年になるが、当然のように私が最前列の真中に座っている。社員さんはなぜか遠慮がちに私の隣に座っていたり、後列に立っていたりするのだが、それもみんななぜか表情が硬い。会社の総会で撮る写真だから笑っているのも変かもしれないが。過去の写真には、今は辞めてしまい、在籍していない人などが写っている。この社員さんは今どうしているだろう、元気にやっているのかなとか、そういえばこの社員さんは、会社の経営方針が合わないと言って辞めていかれたなあとか、その時の出来事が思い起こされる。当時は辞めて欲しくないと思って、真剣に話し込んだことも思い出した。
 私が会社を辞めることはない。社員さんが入社するときも、最初から辞めるつもりで入社を決められた人はいないだろう。入社される時には色々な不安もあったかもしれないが、夢も持っておられたと思う。社会人になって、仕事をして認められたい、コンピュータのエキスパートになりたい、将来は社長になって沢山お金を稼ぎたい---それこそ、色々な思いで会社に入られたはずだ。
 辞める時はどうなのだろう。会社に将来性がない、先が心配だ、このままやっていても伸びない、もっと良いところがある---それ以外にも色々な理由があるかもしれない。
 私はというと、「会社を存続させるぞ」という思いだけで、今日まで来た。先が心配と思われようが、将来性がないと思われようが、今日までナビックは存続させている。
 なにしろ、私には「ナビックを継続させる」その思いだけなのだ。それは「仕事を創出する」、そして勿論「儲かる」ことを考えるということなのだが、その為にはどうすれば良いかを毎日毎日考えているし、それなりに行動してきたと思っている。
 将来性といっても自分が切り拓く以外にないのだから、将来性がないなんて自分では決して思わない。先が心配だと思ってみても、先のことがわかる能力はないので、考える必要がない。それよりは、今の連続が将来につながるのであれば、瞬間、瞬間を一生懸命生きていようと思っている。
 「どうやって会社を継続させるか」それを思いつづけている間は「会社は存続する」。それは私の信念である。