「頭で考えるのをやめて体を動かしてゴールを目指す」


  東京都内を走るマラソンが来年の2月8日に開催される。「東京マラソン」これは、都庁をスタートして、最終着点はビッグサイトという42.195キロのコースなのだが、行政の問題もあり区をまたがり、公道を走ることは実現にはかなり大変だったのではないかと、その実現に向けて活動しておられた方の話などを伺っていると感じる。
 それがようやく来年実現するのだから、いいことだと思う。応募者が7万人と聞いている。ただし3万人しかとらない。私も応募したが抽選なので走れるかどうかわからない。そのコースをランナーズ社の地図情報をもとに50人ぐらいで走る機会があったので参加してきた。
 9:00に都庁前の公園をスタートして、新宿を通りぬけ、靖国通りを通り、飯田橋からお堀の方に行き、日比谷公園の前を通り、品川駅まで目指して、折り返してまた日比谷公園まで戻り、銀座を抜け、浅草まで行き、またここで折り返して銀座まで戻って、有明を通ってビッグサイトでゴールである。
 新宿、皇居、銀座、浅草、最後は臨海地区に入って新しいマンションなどの建築中の建物を見て、そして、日本経済も活気があるなあと感じながらフィニッシュするわけだ。海外の選手の目から見ると、日本の社会、文化、経済を見ているようなものだろう。市民ランナーと胸を張って言えるほどの練習や成績は残していないが、体を壊したとか、病気で寝込んだとか、足が動かなくなったとか、そういうことは全くないし、そのスポーツをやっている時間こそが、唯一自分が会社のことから離れられる時間だと思っている。
 ウルトラマラソンで12時間55分も走り続けることができる体であるが、いつもチェックポイントまでの時間を気にして走っているし、「あと何分残っているだろうか」「次の余裕時間はどのくらいだろうか」「もう歩こうか」「でも歩くとチェックポイントの時間制限を超えてしまう」「仕方ない、走るか」という思いが順番に巡ってくる。それに打ち勝つには「体だけ動かしていること」だけだ。
 会社を経営するということは、色々な責任を負うということでもある。問題があれば経営者の責任、態度が問われ、ときには、ぼろくそに言われたりもする。そんなとき、なんでこの道を歩いているのかと思う。この道に至るまでには、他にもいくつかの選択、岐路があったが、この道を選んでいるのは、自分の意思だろうし、テクテクと歩いてきた道なのだ。この道が大変でも、わからなければわからないなりに進んできた道なのだ。
 マラソンと経営の似ているところは、とにかく走り続けなければゴールしないこと。すべては自分に向けられていることだし、自分と対峙して、自分に問いかけ、自分で答えを出していかなければならないこと。
 マラソンと経営を無理やり結びつけてしまっているが、マラソンも経営も経験しているのは私だから、私自身のことを言っているにすぎない。その中で何かマラソンについてひとこと言うなら、やはりゴールまでの道のりできついときに「レースから降りたら楽だろうな」「足が動かない」「どうでもいい」など頭で思っていても「体だけ動かしている」そんな状態にする、ということ。そうすれば必ずゴールする。つまり頭で考えるのをやめて体だけ動かしていることでゴールに着ける。
 だけど経営は道が決まっていないじゃないか、と思われるだろうが、自分には決められているようにしか思えない。