「確かなこと」


  会社を経営していると、どうしても人との関わりを大事にしないといけない。自分ひとりの力で経営するなどありえないことを身をもって教えられてばかりいる。会社は社員の方がいないと成り立たない。これは確かなことである。次にお金がないと経営できない。これも確かなことである。そして仕事がなければお金が入らないから経営できなくなる。これも確かなこと。
 仕事はお金を稼ぐためにあるので、会社に入って仕事をするのは、会社の売上を上げるためだということは当然のこと。もし仕事をしない人がいたら、その人は会社にいてはおかしいことになる。
 ではそんな大事な仕事だが、面白いとか面白くないとか、個人個人が仕事に向かう姿勢はバラバラだったりする。会社にいるから仕事をしている。生活しなければいけないので仕事をするという人が大半かもしれない。私も同様で、生活があるから仕事をしているが、仕事がどんなに大変でもやれるのは、仕事が好きなこともあるが、面白いからでもある。
 資本主義の社会は、どうしてもお金と結び付けることが重要になる。自分が仕事を好む好まないに関係なく、仕事をしないとお金がもらえないので、生活のための仕事があるのもおかしくない。中には、お金があって仕事をしなくてよい人がいるが、私と関係ないのでどうでもよい。
 会社は、お金を銀行から借りてきたり、自己資金で運営したりするが、どちらにしても、会社を運営するということは、売上を上げて利益を出すことが民間企業としての役割である。
 仕事をするのも人、会社と会社の取引をするのも、それぞれの担当者との付き合いなのでこれも人、人と人との接する時間が多いか少ないか、あるいは接する人が多いか少ないかの違いで、同じ仕事といっても人との関わりはバラバラである。
 コンピュータの仕事をしている技術関係の人はディスプレイに向かって仕事をしているケースが多いので、その世界で10年も20年もやっているのと、営業職みたいに人と会って仕事をしてきた人とでは、人との接し方、話し方にかなりの開きを感じたりする。ただその人に魅力があるかどうか、奥が深いかどうかは別なので、話が上手い人が必ずしも人として魅力的とは限らないのも確かである。
 営業職との比較を挙げてみたが、なにも営業職に限らず、人との関わりを無視して仕事はできない。私はたまたま現場を見ながらの経営をしているが、どんな仕事のやり方をしようが困った時に助けてくれる人がいるか、いつなんどきどんなことが起こるかわからないのが人間社会だから、そんな時に助けてくれる人がいるかどうか、が大事だと思っている。
 例えば、社会保障の制度(システム)があったとしても、そのシステムに助けてもらうためにはある基準、ある条件が付いてまわる。その基準、条件を満たさなければ結局はそのシステムにはその人は適用されない。そんなシステムに合わない時に対応してもらえるのも人だということを経験していると、人を大事にしないといけないと切実に思ってしまう。
 好き、嫌い、合う、合わないの価値観だけで人を見てしまいがちだし、私も自分に合う人とは話もするが、合わない人は無意識に遠ざけたりしている。だから大層なことは語れないが、それでも私には困った時に助けて頂いた人が何人もいる。だからそのような人たちのお陰もあって今日がある。これは確かなこと。確かなことは皆さんに伝えることができる。