「ロボットクリエイター高橋 智隆氏」


 彼を知ったのは、あるTV番組の中で紹介されていたからです。ずいぶん夢のあることをやっているなあというのが最初の印象です。また彼のコメントの中でもそんな夢を子供たちに与えたいようなことが語られていました。
 彼は、ロボットの設計から製作まで全て一人でやってしまう人ですから、設計図らしいものと言えばスケッチブックにイメージを描いているものばかりでした。そんな中で製作されたもの(2足歩行ヒューマノイドロボット「クロイノ」)が、米国Time誌で紹介されたりしているわけです。
 家庭用ロボットは「掃除機」と同じに考えてはいけない、つまり道具ではない、家族の一員という考え方をしないといけないと彼が言っていたのですが、普通にはロボットは道具として考えがちだけれど、そうではなく、ちょっと変わったやつだけど家族の一員というのが彼のロボット観みたいです。
 ヒューマノイド型ロボットというのはおそらく彼が描いているような姿なのかもしれません。高橋氏のことをネットで調べてみたら、彼はロボットクリエイターとして業界では大変な人気だということがわかりました。もともと文科系出身だった彼が、「開発やものづくりの仕事がしたい」という昔からの夢が捨てきれなくて、再度京都大学の物理工学科に入学し、専門課程に入る前から独学でロボットの研究を始めていたそうです。
 彼のロボットはモノコック構造ですが、それは見栄えをよくするためのポイントで、高橋流というのは、外側からのイメージを重視して、それを具現化するために内側の構造を開発するという手法になるらしいです。それは普通とは逆の考え方らしいです。
 また彼は、「何の役に立つかわからないエンタテイメントロボットから始まり、それが家庭用ロボットへと進化していく。さらに、それらのバリエーションとして介護や災害救助などの特殊用途ロボットが開発されていく過程を経ると思う。逆の方向に進化しないのは、自動車にたとえれば、乗用車の前に消防車を開発するのが難しいのと同じ」と説明しています。
(出典元URL:http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/09/19/181.html)
 彼のロボットに対しての取り組みも、今直接的に役立つというものではないかもしれませんが、それが今後どうつながってくるのかというのが非常に興味深いですし、彼の姿勢に共感を覚えるのは、おそらく、マネービジネスとは異なるところかもしれません。モノを作るのが好きな人もいれば、金儲けを考える人もいます。社会は様々な人であふれているわけで、その中でどのような生き方を選択するかは個人の範囲だけれど、もし今直接的に役立つことだけを考えていてはロボットを作るような夢のある取り組みはできないと思います。高橋氏のような方がいるから技術立国日本は成り立っているように思います。
 また、ネットで検索した講演レポートの中で、高橋氏は「ロボットを売るだけではなく、カルチャーとして広げていきたい。いままではロボットをつくって、いくらで売ろうかというように、西欧的な発想になってしまっていた。ロボットを買ってもらう前に、見てもらってもいいのではないか、キャラクターとしてのコンテンツや、エンタテイメントショーの中で、ロボットの可能性が見つけられれば」と語っています。(出典元URLは上に同じ)
 このことは、とても大切なことを示唆しているような気がしています。儲けるためとか、売上を上げるためとか、資本主義社会で会社は利益を追求するためのものだと私はよく言っていましたが、最終目的はそれであっても、まずは人間社会のために役立てられることが先だと考えることが大事だと、私に教えてくれているような気がしました。