「気持ちが支える」


 この時期になると、また100キロウォークの話を題材にさせていただきます。今回で6回目の参加でしたが、何回参加しても100キロの道のりは長く感じます。毎回100キロをどのくらいで歩くかを想定するのですが、なかなか思ったようにいかないのも100キロです。
 それと年々参加者が増えて、初めて参加した時は500人ぐらいだったと思いますが、今年は2500人もの人が100キロを目指したのです。統計的にいって6割の人が完歩できるぐらいで、残り4割は100キロに到達できません。
 到達できない理由として挙げるとすると、体力的なもの、つまり力がない。日常の生活だけの歩きしか経験していない状態で参加しても、30キロ止まりだと思います。30キロ歩ければ、8時間ぐらい歩いたことになります。8時間も歩き続けると、足の太腿あたりが痛くなったり、足裏に肉刺ができたりして、「もう歩けない」その気持ちが強くなってリタイアです。
 では、体力はあって、歩くことも多少練習したりしていたにもかかわらず、完歩できない人はどうなのかというと、やはり40キロあたりになってくると、10時間近くになるので疲れてきます。疲れてくると、気持ちがどうしてものらなくなってくるのです。「ここまで歩けたからもういいかな」「なんでこんなことをしているのか」「100キロ歩いて何になるのか」「あとまだ60キロもある」そんな気持ちが止める方向に向いていくのです。
 そこで止めるのは自由なのです。そうです、自分が止めても誰にも迷惑がかからないし、自分自身だけの問題ですから、「止めた」と気持ちが決めてしまうとそこでリタイアになります。色々な「止める」理由がふつふつと湧いてくるのです。結局、100キロ完歩というのは夢で終わってしまいます。
 まだ他にも色々な理由が挙げられると思いますが、疲れた・もういいや・痛い・歩けない、そんな気持ちが完歩しようという気持ちに勝ってしまうと、その瞬間で行動は止まってしまうのです。
 ただ、ゴールしてくる人達を見ていると、時間内(27時間以内)に歩き終えなくても29時間ぐらいかけて完歩した人の姿を目の前で見たら、完歩できなかった自分の気持ちが「もう一度チャレンジしよう」というものに変化します。
 気持ちというのは不思議なのですが、歩こうという気持ちがあればどんなトラブルも案外乗り越えられるものだということも経験しました。
 人間の体はそんなに弱くはないので、気持ちさえあれば完歩できるのですが、100キロは多少の気持ちも砕いてしまいます。疲れてくると気持ちが弱くなってくることも経験しました。それでも「諦めない」この気持ちこそが完歩の秘訣です。